February 4, 2012

巻き添え被害

娘が四谷の大学へ受験に行った。学科は新聞学科。英語、国語、社会、小論文。僕は午後森美術館にLEE・BULの展覧会に行ったhttp://ofda.jp/column/。会場で偶然SETENV入江君にお会いする。
帰宅後ジグムンド・バウマン(Bauman, Z)伊藤茂訳『コラテラル・ダメージ―グローバル時代の巻き添え被害者』青土社(2011)2011を読む。コラテラルとはタイトルに沿って言えば巻き添えという意味である。一言で言えばグローバル化が拍車をかけている格差は天災が起こった時に災害分布に影響を与える。言うまでもなく貧しいものの被害を大にして富める者の被害を小にする。
例えばハリケーンカトリーヌが来た時に富めるものは速報が入った瞬間に保険がかけられた家財に何の未練もなく飛行機で逃げた。貧しいものは自家用車に家族全員で乗って逃げるものの食べるものもなく泊まるところもなくそのうちガソリンもなくハリケーンに追いつかれる。仮に生き残っても既に我が家は無いわけである。
バウマンの相手にする貧とは日本では想像できないような最低線なのだが、日本でも天災の分布を所得をクロス集計すると貧に大、富に小と出るような気がしてならない。これまではまだしも。これからは?3年で70%という数字が出た現在、富める者は必ずや免振構造のマンションに引っ越すか、外国行くか、耐震補強するか考えるだろう。一方生きることに精いっぱいの人々にそんな余裕はない。おそらく東日本クラスが来たら崩壊する木造密集地帯は分かっているのだけれど、経済弱者にそれらを補強する余裕はない。若きワーキングプアたちは漫画カフェを渡り歩き、違法建物の中で生き埋めになる可能性だって高いのである。

February 3, 2012

研究室と言う不思議な場所


研究室という大学内のシステムは日本独特のもの。その昔東工大でスチュワート先生の下で卒論書いて(英語で)表紙にStewart laboratory と書いたらStewart kenkyushitsuと書き直された。諸外国にはこういう学生の居場所は無いようだ。僕の留学先にも無かったし一昨年行ったブエノスアイレス大学にも無かった。
確かに考えて見れば卒論やるにも卒計やるにもゼミ室と工房(製図室)と図書館と実験室があれば事足りる。UCLAにも大きな木工場とどでかい製図室はあったし教授室もあったがそれに附属する研究室なる不思議な部屋な無かった。
一体この部屋の効用は何かと言うとおそらく儒教的な先輩後輩、師弟の上下関係を叩きこむ場所なのである。それが証拠に欧米の大学には先輩後輩なる人間関係は殆どない。私の留学先にも無かった。お互い歳がいくつかも知らず話していた。ただ社会人大学院に入った若い僕は5つ以上年上(に見える)のクラスメートとは人間的にも能力的にも差があったのでそれに対するリスペクトはあったように思う。
繰り返すが日本の研究室は厳しい上下関係のもと軍隊の如く助手がいて、院生がいて、学部生がいるという階級制度が確立し先輩の言うことは絶対なのである。しかるに、わが研究室は初年度で学部生しかおらず先生も助手もリベラルな上に彼ら二人は学生からの何のリスペクトも受けていないのでまったくもって無秩序状態に陥っている。時あたかも卒計提出まじかということもありその無政府状態に拍車がかかっている。来年度は院生も登場し厳しい規律と管理のもとに研究室が美しく保たれることを祈るのみである。

February 2, 2012

問いのたて方

岩波新書からシリーズ日本近現代史というのが出ている。全十巻だが以前第九巻の吉見俊哉『ポスト戦後社会』を読んだ。とても面白かったのだが幕末から始まるこのシリーズを最初から読む興味は無かった。
最近例の『中国化する日本』を読んで明治維新を中国化と捉える視点にたいそう興味が湧いた。そしてその中国化した日本は何度か再江戸化すると言うのも面白い。このシリーズの最後のまとめである第十巻岩波新書編集部編『日本の近現代史をどう見るか』岩波新書2010を読んでみる。そうすると実は『中国化する日本』と同じことが静かに書かれているのに気付く。
曰く、明治初期は政府と民権派の2極構造では無く、この他に自由競争に乗る気の無い民衆なるものがいた。つまり明治は2極構造ではなく3極だったと言う。こんなことは高校の教科書ではあまり注目されていなかった。それが明治を再江戸化する力へつながるわけだ。今でいえば新自由主義の自己責任を回避したい人々がもっと福祉をもっと保障をと訴えるのに似ている。

やはり日本人は江戸から脱却できないのか?
でもそんな必要があるのか?
あるいは江戸に代わる未だ試したことの無い新しいシステムがあるのか?
どう問うのがこれからの社会を豊かにするのだろうか?

February 1, 2012

シラバスどうなってるの?


今日は午前中電話をかける用事が多い。現場に行くまでに終わらず、行く道すがら、着いてからかけ続ける。2時からの打合せ終わると夕方。日の落ちるのが早くて現場は真っ暗。今日は見るのを諦めようと思ったら照明をつけてくれて根切り底の捨てコンを見る。この辺りは寒い東京より更に寒い。朝は-8度くらいになると言う。まるで長野。事務所に戻り明日出す確認図をさらりと見る。
明日はW大学の学生がインターンシップに来る。4年生の卒業間際にインターンシップ単位が学外でなければいけないと言われたとか(例年はコンペ提出でもいいのですがと泣いていた)。67時間が規定ということで実質一週間あれば終わるのだろうが、それにしてもこの単位のシラバスはどうなっているのだろうか?この大学の違う学部で非常勤やっているがやたらとシラバスの書き方が厳しい。しかも毎年厳しさを増し書き換えさせられる。今朝もその件で事務とやりとしていた。学部が違うからと言ってシラバスの書き方の厳しさが違うとも思えない。であればこの単位も学外でしなければいけないのか学内でいいのかは当然書いてあると思うのだが?????

小布施にはいろいろな資源が眠っている


朝食後、宿であるよろづやを散策。改装増築した設計者は宮本忠長さん。増築部であるエントランスロビーは2層吹き抜け。開口部はすべて障子がはまり柔らかな光が入る。ホテルオオクラを彷彿とさせる。しかし随所に打ち放し部分が現れるところが宮本流。RCの梁型の間を木の天井が覆い、梁ぎわが繊細な木の格子で作られその中に照明がしこまれている。木とRCのバランスが絶妙。宮本さんの傑作と言って間違いない。
その後車で小布施の古い蔵を改築したワイナリ―、これからコンヴァージョンできそうな蚕室を見学とても美しいエレベーション。登録有形文化財に申請すれば?と川向先生に言うとつい最近そうなったとのこと。小布施にはかなりの資源が眠っていそうである。最近おつきあい始めたカナダの大学の先生とこの辺りを回ってみるのも面白い。
昼の新幹線で東京へ戻る。1部2部の研究室配属ガイダンス。3年生相手に各先生が10分ずつ自分の研究室の紹介をする。去年は何も分からず映像も無くただ話したので今年はパワポを作って話す。10分のところを20分も話してしまう。すいませんでした。

January 31, 2012

小布施図書館拝見


新幹線と長野電鉄を乗り継いで小布施まで来た。長野に来るのも久しぶり。小布施に電車で来るのは初めてである。以前来た時は町立図書館のコンペの公開ヒアリングの時。伊東さん、隈さん、新井さん、古谷さんなどのそうそうたる建築家が最終ヒアリングに残りプレゼンした時である。結果は古谷さんが最優秀賞。その作品が去年できて見たいと思っていた。たまたま理科大の小布施町づくり研究所に来る用事があり今日やっと見ることができた。雪に埋もれた小布施も素敵である。
図書館は駅のすぐそば。あたかも樹木のような柱が緩やかなカーブを描く大屋根を支え小さいながらも広がりのある内部空間である。格子の3次元曲線の天井が気持ちいい。
図書館を見てから歴史的修景をぐるりと回り夕刻役所で行われる市民大学講座に参加。講師は理科大の伊藤先生。ミセ空間の発展の歴史を講じられた。とても興味深い。アメ横空間を今年の卒論生が調べたがこんな歴史を知っているともっと研究が深まると思えた。

January 29, 2012

ポーラ美術館アネックスは銀座のお勧めギャラリ―


午後少し走る。今日はとんでもなく寒い。学習院初等科の周りをぐるりと一周して家に帰り速攻で風呂に浸かる。与那覇さんの歴史本を読み終える。
夕方ポーラ美術館アネックスに大森克己の写真を見に行く。僕より4つ下の日芸出身のカメラマンである。3.11以降の福島を撮ったもの。ピンクにぼけているのはピンクのガラス球を持って行ってエフェクトとして使ったようである。
コメントが貼ってあった。カメラマンになったのは自分の見えるものを再現したいという欲求とともに自分の見えないものを写し取りたいという願いからだと言う。今回は見えないもの(放射能)を写したかったのかもしれない。
このギャラリー最近来るようになった。内容はいいのに無料。銀座に来たらお勧めの場所である。
ITOYAによって紙を買って教文館行って新書を5冊買って四谷に戻る。

最近のコメント

牛 on 肩と背中が痛い: はい分かりました、ほ
Oscar on 肩と背中が痛い: だって、50って言っ
牛 on 肩と背中が痛い: おおサンキュウ。80
Oscar on 肩と背中が痛い: 病気なのか、加齢とし
鈴木光一 on 林昌二逝く: 坂牛さん あなたのD
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牛 on 町医者礼賛: いや初めて聞きました